原子番号47:銀の特徴や性質

遷移元素

原子番号47は銀、元素記号はAgです。元素記号はラテン語で銀を意味する単語から由来してつけられました。日本語の銀という漢字のつくりには「変わらない」という意味があり、さびない金属という意味で「銀」という名前が付けられています。大和言葉では白い金属を意味する「しろがね」と呼ばれます。

室温の環境下では電気伝導率・熱伝導率・可視光線の反射率が金属の中で最大という特徴があります。銀の光沢が美しいのは、光の反射率が歌詞領域で約98%と高いことにあります。また、延性・展性は金に次いで高く、1gの銀を細く伸ばすと約2200mの長さにすることができます。

貴金属の中では化学変化しやすいという特徴があり、純銀製のものは黒ずみやすくなります。これは、空気中の硫黄化物(自動車の排ガス・温泉地の硫化水素など)に反応し、銀の表面に硫黄化物が生成されるためです。また、銀イオンはバクテリアなどに対して強い殺菌力があるため、抗菌剤として利用されるようになっています。

銀が人間の生活に登場したのは紀元前3000年ごろだと考えられています。古代エジプトや古代インドにおいては銀の価値が金よりも高く、菌に銀メッキが施された宝飾品も多くありました。これは、金は自然からそのまま産出されることが多かったことに対して、銀は自然から産出されることがまれだったからです。

現在、世界で銀の産出はメキシコ・中国・ペルー・オーストラリア・ロシアなどで行われています。

銀の精錬方法が向上したことで銀鉱石からの銀の生産が増え、銀の価値は金よりも低くなりました。それでも貴金属の一種であり、金と同じように貴重なものとして扱われています。

貴金属の中では白く美しい輝きを持ち産出量が多く安価であることから、日本ではシルバーアクセサリーとして人気が高まっています。純銀では黒ずみが出てしまうため、黒ずみを防止するために銀にロジウムメッキ加工が施されることが多いです。

ヨーロッパでは銀食器を使用することがステータスを示すことにも使われ、カトラリーだけでなく皿・燭台・ポットなど幅広く銀食器が製造されました。

銀は古くから貨幣としても利用されてきました。日本でも江戸時代には丁銀・豆板銀が鋳造され使われてきました。金で作られた貨幣もあったため、両替商なども存在していました。海外でも金貨・銀貨が流通していましたが、次第に金貨がメインになっていき、現在では記念硬貨などとして製造・発行されています。

その他の用途としては、銀の反射率を利用した鏡や反射フィルム、銀イオンの殺菌力を利用した殺菌剤や殺菌装置、写真のフィルム・X線撮影・印画紙の感光剤、歯科医療など幅広い分野で活用されています。