原子番号14:ケイ素の特徴や性質

半金属

原子番号14はケイ素、元素記号はSiです。ケイ素という名前ではあまりなじみがないかもしれませんが、シリコンというと聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

宇宙で一番多い物質は水素であることがよく知られていますが、ケイ素は地球の近くの中で一番多い物質となっています。そのため、根菜類・穀物など土の中で育つ野菜などに多く含まれる栄養素の一つでもあります。

成人の人の体の中には18gほどのケイ素が含まれていると言われています。とはいえ、体内で生成できるミネラルではないため、食品から摂取するしかありません。ケイ素は内蔵・皮膚・骨格など全身にまんべんなく含まれているため、不足すると血管がもろくなったり脳神経・脳細胞が壊れやすくなったり、内臓機能が低下したりすることがあります。

このようなことから近年はケイ素をサプリメントなどで摂取することが注目を浴びています。ですが、長期にわたって大量のケイ素を摂取すると腎結石や腎障害を起こす可能性があることが知られています。健康な腎機能を持っている人にとっては、通常の食事で過剰摂取となることはありませんが、注意が必要です。

日本ではケイ素の摂取による安全性に関するデータが十分にないため、摂取基準が定められていない状態にあります。

また、鉱石になったケイ素はどれだけ細かくしても、水に溶けることがないため粉末として摂取したところで人の栄養分にはならず体外に排出されてしまいます。

一時期、日本中をにぎわせた発がん性のあるアスベストはケイ酸塩鉱物が繊維状になったものです。耐薬品性・耐火性が高かったことから建材として多く使われていましたが、アスベストの人体への健康被害が問題になり、現在は積極的に撤去されていますが、まだ多くのアスベストが残っているのが現状です。

調理道具などに使われているシリコンはケイ素と酸素が結合した骨格を持つ合成高分子化合物です。耐熱性が高い(200℃以上)ことから、レンジ調理などにも使われるようになりました。徐々に劣化や分解していくもののそのスピードが緩やかで、燃えてしまったりすることはありません。分解後はシリカと水になるため、危険性も低くいろいろなものに利用されています。

ケイ素という共通の物質を含有しながら、アスベストは人体に害がありシリコーンは人体に危険性が低いというのはケイ素の大きな特徴の一つと言えるでしょう。

二酸化ケイ素が結晶化すると石英と呼ばれる鉱石になります。六角中の形になり、白色になることが多いのですが、無色透明なものは「水晶」「クリスタル」と呼ばれ、宝石や占いの道具として使われるようになります。