原子番号8:酸素の特徴や性質

卑金属元素

原子番号8は酸素、元素記号はOです。酸素という名称は、酸素が発見された時に酸素が「酸を生むもの」だと考えられていたため、ギリシャ語の「酸を生む」という言葉から名づけられています。

酸素は宇宙規模で見ると、水素・ヘリウムに次いで3番目に多い質量となっています。地球での大気中には体積で見ると約21%存在しています。地球の大気だけでなく地殻やマントルにもたくさん含まれています。その多くは岩石の中で酸化物・ケイ酸塩・炭酸塩などの形状で存在しています。

酸素は常温常圧の状態では無色・無臭の気体です。最大の特徴としては物を燃えやすくする性質があります。いろいろな元素と化合することで熱や光を発生させます。ここで気をつけたいのが、酸素自体は燃えないということです。酸素は、他の物質が燃えることを助ける「助燃性」(支燃性)という性質を持ってはいるものの、酸素自体は燃えることがありません。

およそマイナス183℃で液体に、およそマイナス218℃で青みがかった固体になります。特殊な機械を使って100万気圧以上の圧力をかけると金属的な光沢をもつようになり、125万気圧・マイナス273℃の環境下では超電導金属になります。

自然界では植物などが行う光合成により水が光分解されることで酸素が発生しています。大気中の酸素のうち約70%は海の中の海藻や藻・バクテリアなどによって作られており、残りの約30%が陸上に存在する植物によってつくられています。こうして作られた酸素は、酸素呼吸をする生物によって消費されます。

酸素呼吸をする生物にとって酸素はなくてはならないものですが、体内で作られる「活性酸素」は有害なものとなってしまいます。活性酸素がDNAを酸化して変性させ、いろいろな害を及ぼすことがわかっています。また、純度100%の酸素(純酸素)を長時間にわたって吸入することは、人体にも悪影響を及ぼします。濃度60%以上の酸素を12時間以上吸入することでも、肺の充血や失明・死亡する危険性があります。

酸素の助燃性を利用して、ロケットの燃料である水素のパワーをより強化し推進力を高めたり、製鋼の炉の温度上昇や燃料の節約などに利用されています。

他の元素と化合しやすい性質を利用して、化学品を作る際の酸化剤や半導体の製造工程でシリコンに酸化膜を作るための酸化剤としても使用されています。大気中に多くの酸素が存在しているため、安価な酸化剤として重宝されています。

また医療の分野でも酸素吸入用、高気圧酸素地用などにも利用されています。