原子番号10はネオン、元素記号はNeです。ネオンの名称はギリシャ語で「新しい」を意味する単語にちなんで命名されました。
窒素は常温常圧の状態で無色無臭の気体です。ネオンを液化するためには窒素よりも低温のマイナス246℃まで冷やさなければなりません。気体としてだけでなく物質として見ても、いろいろな物質の中で最も反応性が低い元素として知られています。
周期表の18族に属する6元素である希ガスの中でも、大気中に含まれる量はアルゴンに次いで多くなっています。希ガスの中では2番目の軽さで、放電実験に使われるガイスラー管に詰めて放電をすると橙赤色に光ります。この性質を生かして、「ネオン管」が作られています。
ネオン管の出す明かりは独特で「ネオンカラー」という言葉を用いて表現されます。ネオンカラーにはネオンガスを利用して出される橙赤色以外にもいろいろな色がありますが、これはネオン管の中にネオンガスだけでなくアルゴン・水銀などを添加物として加えることで発色させているものです。
ネオン管の中でネオンが出すプラズマは希ガスの中で最も激しい光となっています。人の目には赤~オレンジの色に見えるのですが、化学的にみるといろいろな波長が出ています。
ネオン管には高電圧がかかった場合に管内のネオンがイオン化して、電流を素早く流すという性質があります。ネオン管のこの性質を利用して洛西の際に電子機器を守るための避雷塔にもネオン管が使われており、落雷の電気をアースに流しています。
窒素や酸素よりも原子番号が大きなネオンは原子1つを比べた場合には、窒素・酸素よりも重くなっています。地球の地表に近い場所でもネオンは単原子分子として存在することができますが、窒素や酸素は二原子分子でしか存在することができません。このため、地球の地表に近いところではネオンは窒素・酸素よりも軽い状態となってしまうため、ネオンを気球に入れるとゆっくりと上昇するこになります。(ヘリウムに比べると上昇するスピードは遅くなります)
ネオンは同じ重さの時、気体と液体の状態で体積の比率差が大きいという特徴があります。一般的な期待と液体の比率は500~800倍という差になりますが、ネオンの場合はこの比率差が1400倍になります。この特性を生かして、液体で貯蔵・輸送して必要なところで気体にすることで貯蔵性・輸送性を高めることができます。
酸素とネオンを混合して「人工空気」を作ると、その中では音速が変化することがありません。このため、ヘリウムのように吸入後に声が変わるという状態にはなりません。この特徴を利用して、大深度まで潜水するテクニカルダイビングや宇宙で人口空気として利用されています。