原子番号118:オガネソンの特徴や性質

不明

原子番号118はオガネソン、元素記号はOgです。元素名については、ロシアの核物理学者ユーリイ・オガネシアンにちなんで命名されました。オガネシアンは2020年現在存命の人物で、存命の人物にちなんで元素名が付けられたのはシーボーギウムについで2例目となりました。

118番元素については1922年という早い段階で存在が考えられていました。デンマークの物理学者ニールス・ボーアは118番元素が周期表上ラドンの下に位置し、7つ目の貴ガスとなるだろうという記述を残しています。1965年にはドイツの核学者アリスティド・グロッセが118番元素が持ちうる性質を予測する論文を書いています。

もちろん、1922年には元素が人工的に合成されて作られるとは思われていませんでしたし、1965年の時点でも安定の島の存在も理論化されていませんでした。それにもかかわらず118番元素の存在を考えていた科学者がいたことがすごいことだといえるでしょう。

1999年にローレンス・バークレー国立研究所の研究者がリバモリウムとオガネソンを発見したと発表し、サイエンス誌でも報告がなされました。ですが、2000年に他の研究所やローレンス・バークレー国立研究所でも追試ができなかったことが明らかになり、新元素発表の論文が取り下げられます。

2002年になり、ロシアのドブナ合同原子核研究所でアルメニア出身のロシア核物理学者ユーリイ・オガネシンが率いたチームによってオガネソン原子の崩壊が初めて観測されました。2005年にはより多くのオガネソンを作った確認実験が行われ、2006年10月にはカリホルニウム249とカルシウム48を衝突させることでオガネソンの原子核が3~4個検出されたと発表されました。

結果として2015年12月にドブナ合同原子核研究所とローレンス・バークレー国立研究所の共同チームがオガネソンの発見者として認められ、命名の権利が与えられました。

オガネソンという正式な名称が決まるまではメンデレーエフの命名法に基づいて「エカラドン」という名称で呼ばれたり、系統名で「ウンウンオクチウム」と呼ばれたりしていました。

2002年に一度論文を取り下げるまでは、ローレンス・バークレー国立研究所では、研究所を率いたギオルソにちなんでギオルシウムと命名する予定だったようです。

オガネソンは現在存在がわかっている元素の中で一番大きな原子番号と原子量を持っています。放射性を持っておりとても不安定で、2005年以降たった5つの原子しか検出されていません。そのため、化学的な性質はほとんどわかっていません。