原子番号4:ベリリウムの特徴や性質

アルカリ土類金属

原子番号4はベリリウム、元素記号はBeです。ベリリウムの化合物には甘みがあることからギリシア語で「甘さ」を表すグルシニウム(元素記号はGl)と名付けられていましたが、のちに「緑柱石」に由来した現在のベリリウムという名称に変更されています。

ベリリウムは緑柱石などの鉱物から採ることができます。緑柱石はベリリウムを含んだ六法細密充填構造の鉱石ですが、含まれている不純物によって見た目の色が変わります。鉄が含まれていれば淡い青色になりアクアマリン、クロムやバナジウムが含まれていれば緑色になりエメラルド、と呼ばれる宝石になります。

ベリリウムが単体の状態では銀白色の金属で、空気に触れることで表面に酸化被膜が作られるため、安定した状態で存在します。モース硬度が6~7と非常に硬さがありますが、常温では脆いという特徴があり、粉砕すると粉末になります。高温の状態では展延性が増し、いろいろな形に加工しやすくなります。

ベリリウムは宇宙規模で見てもまれな元素となっており、少量しか存在しないとされています。太陽のベリリウム濃度は地球の濃度と比べてとても低いことがわかっています。これは太陽が燃焼する際に怒っている核反応によってベリリウムが消費されているためであると考えられています。

高温下でのベリリウム化合物は酸素と高い親和性があるため、ベリリウム化合物から金属のベリリウムを生成するのが難しいとされています。そのため、ベリリウム鉱石の中の酸化ベリリウムをフッ化ベリリウムに変えて、それをマグネシウムを利用して還元することでベリリウムが生産されています。

ベリリウムは鉄の6倍の強度を持ちながらも軽いという特徴があり、金属加工の業界では定番の材料とされています。その強度を利用してジェット戦闘機・高速航空機・ミサイル・人工衛星・コンピューター・家電・医療機器・ゴルフクラブなどに使用されています。

また、電子の数が少なくX線の透過率が非常に高いという特徴も持っています。そのため、X線源・ビームライン・X線望遠鏡などを検出するための器械の窓に使われます。

軽量で剛性が高く、高い音の伝導率が高いという特徴もあります。そのため、高音域を出すためのスピーカーの振動板としてスピーカーに使われています。

ベリリウムが細かくなり塵や水蒸気の状態になって人体に吸入されると高い毒性が示されます。そのため、いろいろなものに利用することについて懸念があります。人体や水棲生物に強い毒性があります。細胞組織に対して腐食性があり、可溶性塩を吸入してしまうと急性ベリリウム症を発症、皮膚接触によって炎症が引き起こされるようになります。