原子番号12:マグネシウムの特徴や性質

アルカリ土類金属

原子番号12はマグネシウム、元素記号はMgです。マグネシウムという名称は産地であったギリシャのマグニシアのちなんでつけられたといわれています。常温常圧の状態では銀白色の金属元素で、結晶は六方最密充填構造をしています。

酸素と結合しやすいという特徴があり、すぐに還元してしまうため空気中に放置すると表面が酸化し灰色になってきます。酸素以外にも二酸化炭素・水・亜硫酸とも反応をしますが、腐食が進行しないため保存は空気と触れていても問題はありません。

また燃焼しても二酸化炭素を発生しないのも大きな特徴の一つです。化石燃料の代わりに次世代エネルギーとして利用ができるのではと、研究がすすめられています。

金属としては非常に軽いため、航空機・自動車・農業機械・工具・精密機械・スポーツ用品・医療機器・宇宙船・兵器など幅広い分野で利用されています。価格が安くなればプラスチックに代わって利用されるようになる可能性も十分にあります。

ナトリウムは人にとって大切なミネラルのうちの1つです。体の中にある陽イオンとしては4番目に多く、成人の体内では約21~28gのマグネシウムが全身に分布しているとされています。全体量のうち約50~60%が骨に、約40%が筋肉・脳・神経などに、約1%が血液中に存在しています。

精製や加工がされていない食品全般に広く含まれていますが、特にごま・アーモンドなどの種実類、ヒジキなどの海藻類に多く含まれています。

人体でマグネシウムが不足すると、不整脈が生じやすくなります。慢性的なマグネシウム不足に陥ると虚血性の心疾患や動脈硬化症などを発症するリスクが高くなることがわかっています。マグネシウム不足の症状としては吐き気・精神障害・筋肉のけいれんが起きやすくなります。また、長期にわたるマグネシウム不足により、骨粗鬆症・心疾患・導尿病・高血圧といった生活習慣病のリスクが高まることが懸念されています。

体に不可欠なものだからといって、過剰に摂取するとどうなるのでしょうか。マグネシウムを摂りすぎた場合には、過剰な分は尿と一緒に排出されるため、特に問題は起きません。ですが、腎臓の機能が低下している方の場合には、マグネシウムの排出がうまくいかず血圧の低下・吐き気・心電図の以上などが現れることがあります。塩化マグネシウムを主成分とする「にがり」やサプリメントのマグネシウムをダイエットや便秘改善のために過剰摂取すると、下痢を起こしてしまうことがあります。