原子番号116:リバモリウムの特徴や性質

不明

原子番号116はリバモリウム、元素記号はLvです。元素名については、アメリカのローレンス・リバモア国立研究所にちなんで命名されています。この研究所自体は研究所の位置するカリフォルニア州リバモアの地主かつ農場主であるロバート・リバモアに由来して命名されています。

116番元素については1977年にキュリウム248とカルシウム48の反応をも一いた実験が行われましたが、その時点ではリバモリウムの検出ができませんでした。1978年にはロシアのフリョロフ原子核反応研究所のユーリイ・オガネシアンらが挑戦しましたが、失敗に終わっています。その後、1985年にアメリカのローレンス・バークレー国立研究所とドイツの重イオン研究所のチームの実験も失敗しました。その後も様々な実験や研究が行われ、それぞれが116番元素の発見を主張しました。

結果として、2000年7月にドブナ合同原子核研究所においてキュリウム248にカルシウム48を衝突させることで初めてリバモリウムが合成されたことが2000年12月に公表されました。

2001年4月から5月にかけて行われた2度目の実験では2つの原子が生成され、1998年12月の実験で初めて確認されたフロレビウムの崩壊系列と同じ系列も検出されました。

2015年4月から5月にかけてこの実験が繰り返し行われ8つのリバモリウム原子を検出することに成功しました。この実験で測定された崩壊データから最初に発見された同位体がリバモリウム293だということが確認されました。さらにこの期間中の実験でリバモリウム292が初めて観察されることにもなりました。2004年から2006年の間に行われた実験では、ターゲットをキュリウム248からキュリウム245に置き換えて行われ、リバモリウム290と291という2つの同位体が存在する証拠が見つかりました。

リバモリウムの合成については、2012年にドイツの重イオン研究所や20014年・20216年に日本の理化学研究所で成功し、確認されています。2016年の理化学研究所の実験ではリバモリウム294が観測されたと考えられましたが、原子核からの最初のアルファ粒子を見失ってしまったことで、リバモリウム294は正式に認められずにいます。

リバモリウムは周期表の上では超アクチノイド元素であり、第7周期元素の第16族元素になります。カルコゲンと呼ばれる6つの酸素族の元素の中で一番重い元素となっています。そのため、カルコゲンの他の元素(酸素・硫黄・セレン・テルル・ポロニウム)と似た性質を持つのではないかと考えられていますが、どの同位体についても半減期が短いため、はっきりとした化学的な性質についてはわかっていません。