原子番号79は金、元素記号はAuです。元素記号のAuはラテン語で「金」「光り輝くもの」を意味する言葉(aurum)にちなんでつけられました。オーラ・オーロラという言葉も同じ言葉が語源となっています。英語のGoldと言う言葉はサンスクリット語で「輝く」という意味のある言葉(jvalita)が語源になっていると考えられていますが定かではありません。
常温常圧の状態ではオレンジがかった黄色に輝きますが、とても細かな粒子(ナノ粒子)になると黒・ルビー色・紫に見えることもあります。金属としては重く、柔らかく、展性・延性に富むという特徴があります。金は破れることなく伸びる力に優れており、たった1gの金から畳2畳分以上の金箔や長さ3㎞以上の針金を作ることができます。
金と同族の銅・銀は反応性に富みますが金は反応性が低く、天然の金鉱からそのまま採掘されたり、風化によって金塊が発見されたり砂金として見つかることが多くあります。自然金は金が主成分ですが、一般的に銀が混ざっています。古くから単体で産出されることが多かったため、そのまま宝飾品や美術工芸品として使われてきました。また、通貨としての利用も盛んにおこなわれてきました。
主な産出国としては、中国・アメリカ・オーストラリア・南アフリカ・ロシア・ペルーなどが挙げられます。これまでに地球上の採掘可能な埋蔵量のうちおよそ75%がすでに産出されていると考えられています。地球上の埋蔵量はそれほど多くなく、採掘可能な金をすべて集めても、一辺が20mの立方体に収まる程度の量にしかならないと考えられています。
純度の高い金は柔らかく実用性に欠けるため、銅・銀・白金・ニッケルなどと合金にすることが多くあります。耐食性に優れており、電気や熱の伝導性が高く、人体に対しても親和性があります。そのため、パソコンや携帯電話の集積回路、歯の治療などに使われます。
金の強度を高めるためにいろいろな金属を混ぜた合金にすることで、外見(色彩)と呼び名が変わってきます。金に25%の銅を混ぜた合金はレッドゴールド、金に20%の銀を混ぜた合金はグリーンゴールド、菌に25%の鉄を混ぜた合金はブルーゴールド、金に25%のアルミニウムを混ぜた合金はパープルゴールド、金に10~20%の銀・8~20%の亜鉛・4~10%のニッケルを混ぜた合金はホワイトゴールドとなります。
金の純度については24分率で表されます。純金が24金、18金の場合は金が18/24(=75%)含まれていることになります。金製品に24Kや999という刻印があれば純金、18Kや750という刻印があれば合金であることがわかります。