原子番号101:メンデレビウムの特徴や性質

アクチノイド

原子番号101はメンデレビウム、元素記号はMdです。元素名については、周期表を考案したロシアの化学者メンデレーエフにちなんで命名されています。周期表を発表した当時はメンデレーエフがまだ見つかっていない元素を予測して空白を作っていましたが、メンデレビウムが発見されたことによってその空白が埋まったり、新しい元素の性質などが観測されたことを記念して命名されました。

メンデレビウムの元素記号はMvが使われていましたが、のちに国際的な改定が行われ現在のMdになっています。

メンデレビウムで初めて発見されたのはメンデレビウム256です。1955年にギオルソやシーボーグなどがサイクロトロンを使用して、アインスタイニウム253にアルファ線をぶつけることで作り出しました。人工的に作られた放射性元素のうちの一つです。

メンデレビウムには安定した同位体が存在しません。現在わかっている同位体はメンデレビウム245から262までです。その中で一番半減期が長いのがメンデレビウム258で半減期が51日、2番目に半減期が長いのがメンデレビウム260の27.8日となっており、残りの同位体は数時間~1秒という半減期となっています。

原子番号100のフェルミウムより原子番号の大きい「超フェルミウム元素」はどれも半減期が短く極微量しか生成することができません。このため、性質を調べることが難しく、正確なデータを取ることができません。また、研究用の用途にしか使われていません。

メンデレビウムが発見されたことによって、核的な性質や放射能・イオン交換樹脂から溶出される順序が原子番号に対応するということが確認されました。

元素名の由来になっているメンデレーエフが作った周期表は、元素の性質を規則性に従って一覧表にしています。そのため、知らない元素があっても周期表で隣接する元素を見ることで大体の性質を知ることができるようになっています。

周期表が発表された当時には周期表には元素の存在が予想される空欄があり、メンデレーエフ自身が未知の元素の存在とその性質を予言していました。メンデレーエフ自身は未知の元素を発見することはできませんでしたが、のちに新たに発見された元素はメンデレーエフが予言したとおりに存在し、性質も予言通りのものでした。

周期表の発表という業績はとても立派なもので、メンデレーエフの母国・ロシアではメンデレーエフは英雄のような扱いになっています。その功績がたたえられ、世界で初めて元素記号をあしらった切手に登場したりしています。さらにロシアでは周期表をデザイン化した切手なども発行されたことがあります。