原子記号45はロジウム、元素記号はRhです。元素名については、王水で白金鉱石を溶解した水溶液がバラ色になったところから発見されたことちなんで、ギリシャ語でバラ色を意味する単語が語源となって命名されました。
常温常圧の状態では銀白色の金属で、白金族元素の1つであり貴金属にも分類されています。反射率が高いため、プラチナよりも白く美しい輝きを持っています。
ロジウムは地殻には平均で0.0002ppmしか存在しなレアメタルであり、天然の白金から白金を分離した後の残物から精製されています。ですが、一部のニッケル鉱山からはニッケルを得る時の副産物としてもロジウムが回収されています。白金族に属する貴金属の中でも硬度が高く耐食性に優れており、王水にも溶けないという特徴があります。
ロジウムは硬度が高すぎて簡単に加工ができないため、メッキ加工に使われることが多くあります。シルバーアクセサリーやホワイトゴールドのジュエリーで「ロジウム加工」「プラチナ仕上げ」という表記がある場合には、形作られた金属製のアクセサリーにロジウムがメッキ加工されています。汗にも強いため金属アレルギーを起こす心配もなく、耐久性も高まることから装飾用のメッキ加工に使われています。
ロジウムメッキされたアクセサリーでも、価格の安いものの場合にはロジウムが薄くしかついていないことがあり、1か月ほどでメッキが剥げてしまうことがあります。そのような場合にはロジウムの下地に使われている金属によってアレルギー反応が起きることがありますので、注意が必要です。結婚指輪など高価なジュエリーの場合にはロジウムメッキの厚さもしっかりとあるので、10年使用してもメッキが剥げることはありません。
シルバーアクセサリーは酸化しやすく黒ずみが出やすいため、ロジウムメッキすることで変色を防ぐことができます。ホワイトゴールドはゴールドの金色をより白くするために、パラジウムやニッケルなどの合金になっていますが、どうしても黄色みが残ってしまうためロジウムメッキを施して白さを出します。ホワイトゴールドの指輪を長期にわたって愛用していると黄みががってきた、という場合には指輪のロジウムメッキがはがれて下地の色が出てきたということが考えられます。
また、ロジウムはプラチナよりも明るい色味のため、プラチナのアクセサリーにロジウムメッキを施してより明るい色味にしていることもあります。
2014年には京都大学にてロジウムと同等以上の性質を持ちながら価格を1/3ほどに抑えることができる合金が開発されました。これは元素表でロジウムの両隣にあるルテニウムとパラジウムの合金で、通常は合金にならない金属同士にもかかわらず原子レベルで混ぜ合わせて作られました。貴重なロジウムに代わる合金として今後は用途が広がっていくかもしれません。