原子番号19:カリウムの特徴や性質

アルカリ金属

原子番号19はカリウム、元素記号はKです。元素名はアラビア語で「植物の灰」を意味する言葉が由来となり、ラテン語で命名されました。元素名に用いられているKaliumはドイツ語ですが、本来のラテン語の名称を音訳して作られた語となっています。元素記号のKはドイツ語の名称の頭文字からつけられました。

日本ではカリウムが医学・薬学・栄養学などの分野で用いられますが、その際には英語の「ポタジウム(Potassium)」という名称が使用されます。

常温常圧の状態では固体で、銀白色の金属となっています。安定した体心立法構造の決勝をしており、リチウムに次いで2番目に軽い金属であり、水に浮きます。また、ナイフでも簡単に切ることができるほど柔らかいという特徴があります。

カリウムは単体では反応性が強いため、自然界では単体では産出されることがありません。様々な化合物という形で地殻に存在しており、その量は地殻中で7番目に存在量が多いことがわかっています。そのため、純粋なカリウム金属については水酸化カリウムを電気分解することで生産しています。

人体にとって不可欠となるミネラルの一つでもあるカリウム。成人の体内には約200g含まれていると言われています。その大部分は細胞内に存在しており、細胞外液に多いナトリウムとバランスを取りながら浸透圧の維持・水分の保持に役立っています。

カリウムの摂取を心がけることで、血圧低下・脳卒中予防・骨密度増加に役立つこともわかっています。幅広い食材に含まれているため、食事から簡単に摂取することができます。特に果実類(バナナ・メロン・アボカドなど)、いも類(さつまいも・さといもなど)、豆類(大豆・あずきなど)、魚類・肉類・海藻類に多く含まれています。とはいえ、一般的な食事をしている限り、過剰摂取になることはありませんのでさほど気にすることのないでしょう。

気を付けるべきは、腎機能が低下している人の場合です。腎機能が低下すすとカリウムの排泄量が低下するため体内にカリウムが残りやすくなり、「高カリウム血症」になりやすくなります。この場合はカリウムの摂取量を制限することが必要になるため注意が必要です。ただし、カリウム含有量の多い食材でも調理方法によって料理に含まれるカリウム量を減らすことができるため、工夫次第ではカリウムの摂取量を減らすことができます。

カリウムは人体だけでなく、植物の成長にとっても不可欠なミネラルとなっています。そのため、肥料3要素の1つとして知られています。世界中で生産されているカリウム製品のうち約93%が肥料として消費されているというデータもあります。

その他には鏡の銀メッキ加工・食品の酸化剤・ベーキングパウダー・ワインやビールの防腐剤・織物や麦わら帽子の漂白剤・皮のなめし材などにも使われています。