原子番号13:アルミニウムの特徴や性質

卑金属

原子番号13はアルミニウム、元素記号はAlです。アルミニウムという名称は、化合物のミョウバン(Alum)にちなんで名づけられました。別名としては、その軽さと見た目が銀に似ていることから「軽銀」、ミョウバンにちなんで「礬素(ばんそ)」があります。

常温常圧の状態では銀白色の金属、熱伝導性が高い事と電気伝導率が高いことが最大の特徴となります。軽く加工しやすいため、実用性も高くいろいろなものに利用されています。酸化されやすいという特徴もありますが、空気中では酸化されることでできる皮膜が内部を保護する役割を持ってくれるので、腐食しにくくなっています。

さらに、強いという特徴もあります。他の物質と化合することでアルミニウムの軽さと強さを生かした合金が誕生します。磁性を持たないため、電子医療機器やリニアモーターカーなどにも使用されています。

アルミニウムはボーキサイトという鉱石から生産されます。ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理することでアルミナが取り出されます。アルミナを氷晶石と一緒に溶融して電気分解をすることで作ることができます。このため、アルミニウムの生産過程では莫大な電力が必要となっています。純度の高いアルミニウムを精錬するためには銅の約11倍・亜鉛の約3.5倍もの電力が使われています。

アルミニウムの原料となるボーキサイトはアメリカ・オーストラリア・ブラジル・インド・ギニア・ジャマイカで採れますが、アルミニウム自体の生産量は中国・ロシア・カナダがメインとなっています。これは生産時に電力が必要となることが関係しており、電力が安い国での生産が盛んに行われているからです。一方、アルミニウムの消費としては中国・アメリカ・ドイツ・日本が多くなっています。

日本ではアルミニウムの精錬に莫大な電力と資金が必要なことから、使用済みのアルミニウムをリサイクルして地金を作る方法をとっています。また、地金を海外から輸入して加工することでアルミ製品を作り出しています。

アルミニウムは私たちの日用品にも多く使われており、とても身近な物質だと言えます。アルミ箔・アルミサッシ・アルミ缶などは日ごろから目にすることも多いですし、日本では一円玉にもアルミニウムが使われています。アルミ合金として、鍋・道路標識・自転車のフレーム・ジュラルミンケース・航空機や新幹線の材料としても幅広く利用されています。ちなみに一円硬貨はアルミニウム100%で作られています。

他の重金属のように人体に対して毒性がないため、食品・医薬品のパッケージ、飲料缶、医療機器などにも利用されています。万が一、体内に入ってもそのほとんどが排出されます。