原子番号111:レントゲニウムの特徴や性質

不明

原子番号111はレントゲニウム、元素記号はRgです。元素名についてはドイツの物理学者であるウィルヘルム・レントゲンにちなんで命名されました。レントゲニウムが発見・合成されたのが2004年で、この年はレントゲンがX線を発見してからおよそ100年が経っていたことが命名のきっかけになりました。

レントゲンはX線を発見したことで、第1回目のノーベル物理学賞を受賞しています。ちなみにX線が発見されたのは1895年11月のことで、真空放電装置の一種であるクルックス管から目に見えない未知の光が出ていることを発見されました。それが「X線」です。X線を使って人体を撮影すると人体が透けて見えます(いわゆるレントゲン写真)。

レントゲニウムが発見・合成されたのは1994年12月、ドイツにある重イオン研究所にてホフマンが率いる研究チームによる実験でした。線形加速装置によって加速したニッケル64をビスマス209にぶつけることで、生成されました。初めて生成されたレントゲニウムはわずか、3つの原子でレントゲニウム272でした。

周期表では第7周期の11族に位置し、遷移金属元素に分類されます。そのため、常温常圧の状態では金属の固体であろうと考えられています。密度や融点・沸点など、詳しい科学的な性質についてはわかっていません。

レントゲニウムの正式な名称が決まったのは2004年11月で、この名称が決まるまでは「ウンウンウニウム」という系統名で呼ばれていました。(111番目の元素という意味があります)

他の超ウラン元素・超アクチノイド元素と同様に人工的に作られている放射性の元素であり、現時点までで12個の放射性同位体が発見されています。最も半減期が長く安定しているのがレントゲニウム281で、その半減期は26秒です。半減期の短いのがレントゲニウム272で1.6ミリ秒となっています。

半減期が短いため自然界にも存在しておらず、レントゲニウムの用途は化学界での研究用途にしか利用されていません。純粋な実験結果はまだ出ていませんが、これまでの元素の特徴・性質や体系的な蛍光を考えると、同位体の中でも半減期が10分ほどあるものが存在することが推定されています。

予想通りに半減期が分単位のレントゲニウムの同位体が存在すれば、レントゲニウムの用途が広がる可能性も出てきます。研究が進めば、自然界や生物に対する影響についてもわかってくることが増えていくことでしょう。