原子番号41:ニオブの特徴や性質

遷移元素

原子番号41はニオブ、元素記号はNbです。1801年に発見された当時はコロンビウムと命名されていましたが、1809年に別の科学者が「タンタルと同じものである」と結論付けられてしまいました。ところが、1846年に新たな元素としてニオブが発見され、1864~1865年にニオブとコロンビウムが同じ元素であることがわかり、ニオブが正式な名称として採用されたという経緯があります。

ニオブという名前自体には、タンタルの語源となったギリシア神話のタンタロスの娘・ニオベーが由来になっています。それほどタンタルとニオブが物理的にも科学的にも似ていて、多くの化学者がその区別ができなかったということにつながっています。

ニオブは常温常圧の状態では光沢のある灰色をした金属です。絶対零度から融点まで体心立法格子構造をしていると考えられているものの、まだ照明されているわけではないので、今後新たな発見があるかもしれません。

ニオブを含んでいる鉱石としてはコルンブ石・パイロクロア鉱石があります。埋蔵量・生産量ともに約9割がブラジルとなっており、残り約1割がカナダです。鉱石の中にはニオブだけでなくタンタルも含まれていますが、その量はニオブの方が多く価格もタンタルより安価になっているため、好まれています。

室温で長期間にわたり空気に触れることで青みがかった色に変わります。他の耐火性のある金属と比較すると密度が小さく、腐食耐性が高い・超電導特性がある・誘電酸化物層を形成するという特徴があります。

ニオブの表面に不動態酸化被膜を作ることで、いろいろな色を表現することができるようになります。その色は豊富で、10色以上に変化させることができます。この特性を利用して、これまでに多くの記念硬貨が作られてきました。酸化被膜の厚さを変えることで光の屈折率を変え、見た目の色を変えることができます。酸化のさせ方を選択できるため、完全にオリジナルの色で独特の仕上げができます。

また、単体のニオブやニオブの合金は生体に対して不活性でアレルギーを起こしにくいことがわかっています。このことから、人工装具や心臓のペースメーカーといった人体に直接埋め込むタイプの機器にも使われています。ニオブを水酸化ナトリウムで処理すると多孔質層を作ることができ、骨と金属の接合に使われます。

アレルギーを起こしにくく、いろいろな色が出せるという2つの特徴を生かして、アクセサリーも作られています。

大きな状態のニオブは人体に安全ですが、細かな粉状になって目や肌に付着すると刺激物となってしまうため注意が必要です。また、粉状のニオブには火災の危険性もあるため、取り扱いに気をつける必要があります。